ヨーガ・スートラの哲学 純粋意識(プルシャ)と根源物質(プラクリティ)
純粋意識(プルシャ)は全く変化しない
根源物質(プラクリティ)はたえず変化し続ける
この二つは永続的に進む
この原理を自分たちの体であてはめると
純粋意識(プルシャ)が意識
根源物質(プラクリティ)が心と体
純粋意識である意識は変化せず
根源物質である心と体は変化し続けることになります
心や体が常に変化し続けることは理解できますが
意識が変化しないというのはどうゆう事でしょう
意識というと「勉強をしたり、水を飲んだり、運動したり、外の景色にきをとられたり」と常に変化しているようにかんじますが
これは、
意識が変化しているのでなく
心の注意の対象が変わっている
意識という映画のスクリーンがあれば
スクリーンに朝の景色、テレビや食事とつぎつぎに映りますが
スクリーンそのものは変わらないように意識そのものは変化していません
熟睡中は意識がないように思われますが、
この時でも意識が変化していないと考えられます
なぜなら
寝てから起きるまでが一瞬に感じるからです
意識に変化があるなら「何時間くらい寝たな」とその時間間隔が存在するはずです。
意識に変化がないので何時間たっても一瞬の出来事に感じるのです
- 熟睡中に寝ているのは心と身体
- 意識はずっと目覚めている
どんな時でも意識は目覚めている
- 肉体が死んでも意識と心は残っている
- 死後の世界はちょうど夢を見ている状態
- 次に新しい体に生まれ変わるとと目が覚めるようなもの
- この輪廻の間も意識はずっと目覚めている
ヨーガ・スートラの哲学では
- 意識(プルシャ)はずっと変わらずに存在して
- 根源物質(プラクリティ)である心や体は変化していく
ヨーガ・スートラの心の苦しみの原因とは
賢者にとっては、この世はあらゆるものが苦しみである
なぜなら
万物は常に変化し続け、煩悩は絶え間なく苦楽の原因となる潜在印象を生み
根源物質の3つの構成要素(ナグ)は互いに相反するからである
ヨーガ・スートラより
苦しみの原因 万物は常に変化し続ける
この世界には純粋意識と根源物質がある
- 純粋意識(プルシャ)は一切変化しない
- 根源物質(プラクリティ)は常に変化し続ける
根源物質(プルクリティ)は常に変わり続け
新しい洋服も洗うたびに色あせていきます
顔にしわやシミが出て老いていき、
日々悩みます
好きだった本があきてしまったり
今まで大好物の食べ物もあきてしまったり
心はころころ変わっていきます
このように目に見えるものは変化し続け、心も変化し続けていきます
純粋意識は変化せず永遠の中でその変化を見ています
心は純粋意識の永遠性に倣い『永遠であるかのよう』に錯覚します
これが私たちの苦しみの原因の一つです
永遠性と流動性が共存しているためその境目で心は葛藤している
苦しみから解放するために 執着を手放す
永遠性と流動性の共存していることを理解してこの苦しみから解放するには
つねに変化し続ける根源物質(プラクリティ)に対する執着を捨てることです
- 体や心が変化するのは明確なことです
- その変化に執着せず
- いちいち嘆く必要はないといい聞かせ続ける
体は年老いていずれ朽ち果てます
この変化に落胆し続けていると悩み多い人生になります
全てのものは移ろい変化していくを理解しそこに喜びや悲しみを見出さないようにしようと考えてみると悩みや苦しみから離れていきます
しかし私たちは家族、友達、お金、衣服など私たちを喜ばすのもがたくさんあります
それらに執着してしまうと心の苦しみが楽になることはありません
これが苦しみの原因です